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馬券なら複勝、ワイド、3連複

本当に5%?(2)

投稿日時:2023/06/02(金) 09:21



 特別給付金も同様な処理でした。筆者が2004年に出版した「競馬の基本は単勝式です!」(イデア出版局:絶版)で払戻金の計算で「2度も切り捨て計算を行っているので実際の上乗せは3%程度」ということを指摘したことが影響したかどうかわかりませんが、この特別給付金は2004年一杯で廃止されることになりました。
なお、複勝の特別給付金は2%程度だったのです。

 PART2で単勝と複勝のシェアの推移をグラフにしてありますが、シェアの上昇は特別給付金の導入時期からではなく廃止以降であることに注目してください。

 5%の上乗せはちょうど半数が的中の場合には10円の上乗せとなります。的中馬券が外れ馬券より少しでも多い場合は上乗せは0円です。特別給付金の時は払戻金は約75でけいさんされていましたのでちょうど半数が的中の場合は払戻金は150円でした。

それで140円以下の払戻金には特別給付金は付加されていなかったのです。
 このころのオッズ別回収率を計算してみると1.4倍のところが前後に比べて低くなっているのが面白いです。

▲単勝の5%上乗せ状況(表は省略)
(表は省略)
現在の単勝は80%で計算されていますので150円以下は上乗せがありません。

 2022年は東西金杯と3歳重賞、3歳リステッドレース(5月28日まで)の「ワイド」を対象に、5%相当額を上乗せして払戻しされることになりました。
ワイドの払戻金は3通りありますが、それぞれに5%の上乗せではなく全体に5%です。
それではあまり期待できないと思われるかもしれません。

次は中山金杯の結果です。


▲中山金杯ワイドの5%の上乗せ(表は省略)

本来の払戻金の計算においてはずれ馬券を3分の1にしていますので、5%の上乗せを3分の1にしてもあまり影響がないのです。

▲ワイドの5%上乗せ状況(表は省略)

ワイドの払戻金や5%の上乗せは他の2組の的中票数に影響しますので上乗せ状況の計算は難しいのですが上の表では3組とも同じ票数と想定して集計してみました・


この表によるとワイドは200円くらいの払戻金までは5%の上乗せは期待できないかもしれません。
通常はそれ以上の払戻金になりますので5%程度はありそうです。

5%の上乗せのレースではオッズ発表時にすでに上乗せされた状態で表示されています。払戻金の発表時に上乗せ分を追加していれば上乗せが実感できて良いのではと個人的には思っています。
-導入は馬券の売り上げ増加に貢献しましたが、その後の新馬券導入には効果がなかったのはなぜでしょうか。
 「3連単」という馬券は、非常に高額の配当が期待できるので人気の馬券になっていますが、100円からでも競馬が楽しめることから、逆に一人当たりの購入金額が少なくなったようで、馬券の購入総額の増加にはなっていないのかもしれません。
  また、それほど大きな配当でなければ、当たった人は次のレースに馬券を買ってくれるかもしれないのですが、大きな配当があると競馬には使わないで他の目的に利用されてしまうかもしれません。

 実はシェアの大きな馬券が売れはじめたのではなく、あまり売れていなかった馬券が少しずつ売れてきたのです。
前に紹介したように2008年から行われた払戻金を増やすというサービスが良かったのでしょう。
 通常の払戻金に多少の「おまけ」を上乗せする作戦はその後もさまざまな形で行われるようになりました。
 また2014年からは払戻率も変更するなどの効果で、最近は少しずつ売り上げは回復したのだと思います。
 このグラフには加算されていませんがWIN5の売り上げも多額でしょうし新型コロナ
の影響も少なく順調に売り上げは回復しています。


 

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