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佐渡ふるさと大使」

佐渡市から「佐渡ふるさと大使」の一人として任命され現在も佐渡のPRなどをおこなっています。
コロナが落ち着けば次の活動を行う予定です。
(1)佐渡でのボランティア活動は清瀬市のNPO法人にノウハウを引き継ぎますので、夏安井の小学生の生き物調査などを指導していきます。
(2)2020年4月に障害者8名を含む16名で参加した佐渡トキマラソンは大変好評でしたので    2021年は40名近くで参加予定でしたが首都圏からの参加はできませんでした。
再開すれば、また多くの参加希望者が集まるとおもいます。
(3)視覚障害者になりましたが、トキに関する本
も出していますので都内でトキに関する説明が必要な企業・団体・学校があれば少人数でも説明に行きます。

私の佐渡における活動は以下の朝日新聞の記事のほか、次の新潟県のホームページにも紹介されています。
東京と佐渡をつなぐ仕掛人


https://niigatakurashi.com/people/1387/  


 

トキは介護の「師」

2010年01月28日 朝日新聞新潟版

■元東京工科大講師・高橋さん、認知症の母とえさ場づくり
 認知症の母を在宅介護して9年。元東京工科大学講師の高橋正視(まさみ)さん(64)は、母の文(ふみ)さん(87)と一緒に佐渡島を訪れては、国の特別天然記念物トキのえさ場づくりのボランティア活動を続けている。島内どこへでも2人で出向き、田んぼで汗を流す。トキが教えてくれた「自分流の介護」という。(高橋淳)

◇田んぼでくわを手にほほえむ文さん。隣で見守る高橋さん。「佐渡へ来ると、母の表情が柔らかくなる。昔の母に戻ってくれるのでは、と錯覚してしまうほどです」
 文さんは重度の認知症だが、症状がみられるようになったのは十数年前。被害妄想や徘徊(はいかい)などの症状が次第に激しくなったという。高橋さんは仕事を減らし、東京都内の自宅で文さんに付きっきりとなった。精神的に追いつめられ、一時は「川に突き落として……」と思ったことさえあったという。
 3年前、たまたまトキの野生復帰事業のことを知った。「気晴らしに」と、教え子らと共にえさ場づくりのボランティアに初めて参加した。
 文さんはもともと佐渡島生まれ。田んぼに連れ出してみて驚いた。バランス良くあぜを歩き、雑草をむしり、学生たちと一緒に山の上まで登っていったからだ。
 都内の自宅で文さんの言動に困ると、とりあえず外に連れ出し、一緒に辺りを歩き回ったが、そんなとき文さんは「私は歩くのは大丈夫」と自慢げだった。自然の中でただ体を動かすのが文さんには向いているのだ、と気付いた。
 以来、年に何度も佐渡を訪れるようになった。トキの保護にかかわる人たちが集まる会議にも母子で一緒に出席した。「いつも高齢の母を連れた男性」の姿は、佐渡市職員やボランティアらの間で知られるようになった。
 先の見えない介護生活。高橋さん自身も60代となり、自身の健康も不安になってきた。それでも「母が何に喜び、何を伝えようとしているのか。トキにかかわり、佐渡で一緒に過ごすようになったことで、以前よりも母を知ることができた」という。自然を守り、人と生き物が助け合う「トキとの共生」の思想が、さまざまなハンディキャップを持った人を受け入れる島の風土をつくっていくのではないか、と期待もしている。
 高橋さんは今、コンピューターの専門知識を生かし、仲間と一緒に「佐渡トキ検定 トキと共生する島づくり検定」の実施を計画している。「共生の島づくりへの一助になりたい」との思いで、2011年開始に向け、準備を進めている。高橋さんは「トキと共に再生を目指す島の姿を、多くの人に知ってもらいたい」と話している。